操作マニュアル

1.PIC-PLASMA3Dのインストール

 

PIC-PLASMA 3Dのの基本的な使い方を、ソフトウェア同梱の入力ファイルで実行できるテストケースを使って学びます。テストケースでは、マグネトロンスパッタ装置内のプラズマシミュレーションを実施します。

本ページではPIC-PLASMA 3D(試用版)によるシミュレーション手順を記載します。

ダウンロードはこちらから。

 

2.PIC-PLASMA 3D試用版の構成

2.1 PIC-PLASMA 3D 試用版の制限事項

 

試用版では、以下の制限が設けられています。あらかじめご確認のうえご利用ください。

  • 試用版に含まれる「trial」フォルダ内のAMF形式ファイル(スパッタ装置のCADデータ)のみ解析が可能です。任意のAMFファイルを読み込んで解析することはできません。
  • calculate」シートの赤字項目は編集不可に設定されているため、解析条件の変更はできません。なお、
    (編集不可:プラズマ配置、電極電圧、時間刻み幅など)(編集可能:初期のプラズマ密度、新規生成粒子、outputフォルダの絶対パスなど)
  • 可視化機能(post_processシート)は、一部制限付きで利用可能です。

※なお、製品版に、上記制限はありません。

 

2.2 ZIPファイルの展開について

 

PIC-PLASMA 3D 試用版は、ダウンロード時に ZIP 形式の圧縮フォルダとして提供されます。ご利用の前に、以下の手順でファイルを解凍(展開)してください。

    • エクスプローラー>”PIC-PLASMA3D(trial)”を右クリックしてください。
    • すべて展開>展開をセレクトしてください。

 

 

2.3 PIC-PLASMA 3D試用版の起動と設定

 

フォルダ内の「PIC_PLASMA3D(trial).xlsm」を起動する前に、マクロの設定が必要です。
※Excelファイルでは、UI部のみ取り扱っているため、内部の計算実行ファイルを起動するためには、マクロの有効化が必要です。

  1. エクスプローラー>“PIC_PLASMA3D(trial)”を右クリックし、プロパティをセレクトします。
  2. 全般>セキュリティの許可をするにチェック入れ、適用をセレクトします。
  3. “PIC_PLASMA3D(trial)”を起動します。
  4. セキュリティの警告>コンテンツの有効化をセレクトします。

 

2.4 シート構成のついて

 

『PIC-PLASMA 3D 試用版』は、以下の3つのシートから構成されています。

シート1:「PIC-PLASMA 3D」

本シートでは、『PIC-PLASMA 3D試用版』ソフトウェアの概要および機能に関する基本的な説明が記載されています。初めて本ソフトをご利用になる方は、まず本シートをお読みいただくことで、ソフトの全体像を把握できます。

 

シート2:「calculate」

本シートでは、製品版の場合、解析に必要な各種設定情報を入力することで、計算条件を自由に構成できます。

試用版では、入力可能な項目は制限されており、一部の機能のみご利用いただけます。

すべての必要項目(ファイル指定・座標・物理条件など)を正しく入力した後、シート内の「calculate」ボタンをクリックすることで、解析が自動的に開始され、結果が出力されます。試用版の場合、特に設定に変更がない場合は、初期設定のまま、「calculate」ボタンをクリックしてください。

 

シート3:「post_process」

本シートでは、「calculate」での計算結果をもとにシミュレーションの可視化を行います。
以下の手順に従って操作してください。

  1. 計算結果ファイルを指定します。
  2. 可視化に必要な補助情報(例:表示範囲や表示粒子の種類など)を入力します。
  3. シート内の「visualization」ボタンをクリックすると、解析結果に基づいた映像が自動的に生成・出力されます。

本機能を用いることで、電磁場内における電子やイオンの挙動を視覚的に確認することが可能です。

 

3. 実際の操作画面と解説

 

ここからは、解析ソフト「PIC-PLASMA 3D 試用版」の操作手順を説明します。

 

①PIC-PLASMA3D試用版を起動します。

 

②Calculateシートを開きます。

 

③入力amfファイル>ファイル選択をセレクトします。

 

④試用版ダウンロードフォルダ内のmagnetron_sputtering.amfファイルをセレクトし,OKボタンを押します

 

⑤outputフォルダの絶対パス>フォルダを選択をセレクトします。

 

⑥計算結果ファイルを出力したいフォルダをセレクトします。(今回は、trialフォルダ内のresultsフォルダをセレクトする。)

 

⑦その他の入力(試用版は初期値の状態で計算可能)を完了してからcalculateボタンをセレクトすると、コマンドプロンプトが起動し自動で計算準備が始まります。

 

補足)左の『+』をセレクトすることで解析条件の詳細設定が可能です。

 

⑧コマンドプロンプトが起動後しばらく待つと、「press the enter key once the confirmation is complete」と表示されるので、ENTERキーを一度クリックします。計算処理が始まるので、コマンドプロンプトが自動で閉じられるまで待機します。

計算中、下記のような画面が出力されます。

 

各項目の意味を下記に示します。

    • mv_part time:1時間ステップごとの計算時間
    • ts:時間ステップ数
    • O+:仮想粒子(イオン)の数
    • e-:仮想粒子(電子)の数
ハカセ
なお、EXCELファイルで指定した時間刻み幅×時間ステップ数が総テシミュレーション時間になるぞ。

 

4. 計算結果の可視化と解説

 

①post_processシートに移動します。

 

②ソリッド(装置の構造など)を3D表示する場合(必須ではありません)は、入力stlファイル>ファイルを選択をセレクトします。

 

③試用版のダウンロードフォルダ内のmagnetron_sputtering.stlファイルをセレクトし、OKボタンを押します。

 

④可視化したい密度プロファイルの絶対パス>ファイルを選択をセレクトします。

 

 

⑤計算結果の出力先(⑥で選択したフォルダ)を開き、outputファイルを1つセレクトし、OKボタンを押します。また、ここで計算結果全体のアニメーションを見たい場合は、outputファイルを複数セレクトし、OKボタンを押します。複数セレクトすると、自動でoutput_e_*に変更されます。

ⅰ)計算結果の1コマを可視化

 

ⅱ)計算結果全体をアニメーションで可視化

 

⑥その他の入力(試用版は初期値の状態で計算可能)を完了してからVisuallizationボタンをセレクトすると、コマンドプロンプトが自動で起動し、可視化が始まります。

 

ハカセ
上記のような結果が出力されればうまく計算できているぞ!