プラズマとは

よく物質は固体・液体・気体に分けられますが、気体をさらに加熱することでプラズマを生み出すことが可能です。
そのため、プラズマは物質の『第4の状態』と表現されます。
今回は、プラズマを利用する産業用製品である蛍光灯を解析してみます。
蛍光灯はガラス管、少量の水銀、アルゴンなどの封入ガス、両端の電極、管内面の蛍光体で構成されています。
放電で発生した紫外線を蛍光体が受けて可視光を出力します。
蛍光灯は、『住宅・生活空間』のみならず、下記のような産業用途でも活用されています。
紫外線蛍光灯(UVランプ)
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殺菌・消毒(医療、食品工場)
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空気清浄機
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水処理設備
ブラックライト
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偽札・証明書の確認
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蛍光塗料の検査
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クラック(亀裂)検査
蛍光灯の発光過程は下記の通り。

- 電極の加熱と電子放出: 電流が流れると、両端の電極(フィラメント)が加熱され、熱電子が放出される。
- 紫外線の発生:放電する電子が、管内に封入された少量の水銀原子と衝突します。この衝突により、水銀原子が励起状態になり、目に見えない紫外線(UV)を発生させる。
- 紫外線から可視光へ変換:ガラス管の内側の蛍光物質(蛍光体)に紫外線が照射される、その紫外線を吸収することで蛍光体が可視光を放出する。
蛍光灯の発光効率は、主に、熱電子の放出数と、水銀原子との衝突効率で決まります。
この過程を、PIC-PLASMA 3D(プラズマ解析ソフト)で計算してみます。
- 電位
- 磁界分布
- 電子密度
- 電流密度
- 電荷密度
蛍光灯内の電子とガス衝突解析
PIC PLASMA3Dを用いて、蛍光灯内の放電をシミュレーションしてみましょう。
解析モデルは下記の通り。(FreeCADで作成)
解析モデル

上記のような蛍光灯解析モデルを作成し、陰極から放出される熱電子(プラズマ生成の起源となる粒子)の軌道解析を実施しました。
なお、プラズマの発生機構は下記の通りです。

図2:プラズマの生成過程
解析条件は以下の通りです。
| 解析ソフト | PIC PLASMA3D |
| 解析タイプ | 静電場内におけるプラズマの軌道解析 |
| 新規生成粒子 | 電子 |
|---|---|
| 生成電子の初速度 | 1.0×106[m/s] |
| 生成電子数(個/ns) | 1.0×103[個/ns] |
| 電圧 | 陰極電圧:0[V] 陽極電圧:1000[V] |
| 時間刻み幅 | 8.0×10-11[s] |
| 総シミュレーション時間 | 1.6×10-7[s] |
解析結果
図3:蛍光灯内の陰極から放出される熱電子の解析結果
図4:電子とガスの衝突位置
上記資料は、実際にPIC-PLASMA3Dで計算した実際の解析結果です。
プラズマ生成の起源となる陰極から放出される自由電子の軌道をシミュレーションしています。
なお、動画内におけるdataは、電子の数密度[個/m3]を示しています。
今回用いたcadモデルは簡易的に作成したものであるため、電子数やその他の条件設定は簡略化しています。
また、PIC-PLASMA3Dでは、上記の計算結果に加えて、さまざまなデータを出力することができます。
※上記は一例です。
プラズマ製品の開発にPIC-PLASMA 3Dを是非ご活用ください。