解析事例

プラズマのアーク放電解析

 

プラズマとは

図1:物質の4つの状態

よく物質は固体・液体・気体に分けられますが、気体をさらに加熱することでプラズマを生み出すことが可能です。

そのため、プラズマは物質の『第4の状態』と表現されます。

プラズマとは物質が電離した状態のこと。 電離とは、分子や原子が壊れて電子とイオンに分かれる現象のこと。
粒子同士(イオン・電子・原子)が衝突しあうことによってプラズマが生まれるんだよ。
どんな環境だとプラズマが生まれるんですか?
主に、太陽などの超高温領域や気体に高い電圧が印可されたときにプラズマは発生するのじゃ。

今回は、PIC-PLASMA 3D(プラズマ解析ソフト)でプラズマ放電の解析をしてみます。

先ほどの説明通り、電気的に中性な気体が電離して、自由電子とイオンを多く含む状態になったものをプラズマと呼びます。

つまりプラズマは、「電気を通しやすくなった高エネルギー状態の気体」と考えることができます。

 

アーク放電が起こる仕組み

図2:プラズマにおけるアーク放電の概念図

アーク放電とは

通常、空気などの気体は電気を通しにくい絶縁体です。

しかし、電極間に十分高い電圧がかかると、気体中の分子が電離して電子イオンに分かれます。

このとき気体は導電性を持ち、電流が流れ始めます。これが放電の始まりです。

 

アーク放電発生の流れ

      1. 高電圧が加わる:電極間に強い電界が生じます。

      2. 初期電子が加速される:気体中にわずかに存在する自由電子が電界で加速されます。

      3. 衝突電離が起こる:加速された電子が気体分子に衝突し、さらに電子とイオンを生みます。これが連鎖的に増えることで、電極間に導電経路ができます。

      4. 電流が急増し、発光・高温化する:大電流が流れると放電路の温度が非常に高くなり、気体は強く電離したプラズマ状態になります。この高温・高輝度の放電がアーク放電です。

アーク放電解析

PIC PLASMA 3Dを用いて、アーク放電をシミュレーションしてみましょう。

解析モデルは下記の通り。

解析モデル

図3:アーク放電の解析モデル

上記のようなアーク放電の解析モデルを作成し、電子軌道と大気(中性粒子)との衝突によるプラズマ生成過程のシミュレーションを実施しました。

なお、プラズマの発生機構は下記の通りです。

図4:プラズマの生成過程

解析条件

解析条件は以下の通りです。

解析ソフト PIC-PLASMA 3D
解析タイプ プラズマ解析
解析オブジェクト plasma_arc.obj
プラズマ粒子種 O₂
ガス圧(大気圧) 1.01325 × 105[Pa]
温度 300[K]
電圧 electrode1:0[V] , electrode2:500[V]
1nsあたりの生成電子数 10000個
生成電子の速度 1.0× 104[m/s]
時間刻み幅 1.0×10-11[s]
総シミュレーション時間 2.0×10-8[s]
なお、これらの初期条件の設定はソフト内(PIC-PLASMA3D)で設定できるぞ。

 

下図に、PIC-PLASMA 3Dにおける今回の解析条件の入力画面を示します。

図5:PIC-PLASMA 3Dにおける解析条件の設定

 

解析結果

上記資料は、実際にPIC-PLASMA3Dで計算した実際の解析結果です。

図6は、プラズマ内の電子の振る舞いをアニメーションで可視化しています。

図7は、電子と酸素ガスとの相互作用で発生した酸素イオンを表示しています。

なお、今回用いたcadモデルは簡易的に作成したものであるため、電極電圧やその他の条件設定は簡略化しています。

また、PIC-PLASMA 3Dでは、上記の計算結果に加えて、さまざまなデータを出力することができます。

  • 電子密度
  • 電流密度ベクトル
  • 電場ベクトル
  • 速度ベクトル
  • 背景ガスやジェットガスにおけるプラズマとの衝突

※上記は一例です。 プラズマ製品の開発にPIC-PLASMA 3Dを是非ご活用ください。

 

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